経済学?法律学研究

経済学?法律学研究からのアプローチ

情報通信技術(ICT)の進歩が経済に与える影響に関する実証研究

久保田 茂裕 准教授
経営法学部 経営法学科
久保田 茂裕 准教授

情報通信技術の進歩によって日本の経済成長がどの程度促されているのかを定量的に計測しています。今後、少子高齢化によって日本の労働力人口は減少するなか、日本の経済成長を維持するためには、労働生産性を高める必要があります。そこで、AIやIoT等の最新の情報通信技術によって、労働生産性を引き上げることができるかどうかが注目されています。

なぜこの研究を始めたのですか?

大学の指導教員が、情報通信技術と生産性との関係の研究に取り組んでいたので、私もその研究にたずさわるようになりました。思い返すと、情報通信技術はあらゆる所に浸透していく技術なので、それを軸に経済?社会を視ることは、幅広く研究対象を持つことができるので、良いテーマを与えられたと思います。

社会との関わりは??

情報通信技術が進歩することによって、経済や社会は変化していきます。この変化を定量的に適切に捉えてまとめることで、より良い社会にするための政策の材料を提供することができます。例えば、海外と比較して日本の情報化投資が少なければ、投資を促す政策が必要ですし、システムを使いこなす人材が育っていなければ、ICTリテラシーの高い人材を育てる必要があります。その意味で現状を定量的に把握することは重要です。

社会の中でどんな応用の可能性がありますか?

経済学では、数式やモデルを使って、マクロ経済の仕組みを表現します。一旦、マクロ経済のモデルが出来れば、そのモデルを使って、予測やシミュレーションをすることができます。今後、企業のDX(デジタル?トランスフォーメーション)が上手くいくと、経済成長にどの程度影響を与えるか、或いは、DXが上手くいかない場合に、経済が低迷することはないかなど、検証することができます。

これから学ぼうとする人たちに向けて、研究領域の魅力を伝えるメッセージをお願いします。

情報通信技術の進歩は非常に早いです。PCやスマートフォン等の端末の高度化、インターネットの登場、固定?モバイルブロードバンドの普及で社会は急速に変化しています。これは日本などの先進国だけではなく、途上国も含めて世界全体で変化しています。このように技術の進歩が社会を変えていく様子を目の当たりにすると非常にエキサイトします。一緒に情報通信技術による世界の変化を考えてみましょう。